ピーコートの原型は、18世紀には存在していたとも言われています。ヨーロッパ諸国でもピーコート型のコートが幾つかの軍で採用されてきましたが、今回のこのピーコートはアメリカ海軍が下仕官用として採用した1910年代のモデルです。
特徴は高密度の分厚いメルトンウール素材を用い、アメリカの国章を表す13個の星が彫られたアンカーボタンが付くことです。この13個の星の数は、1777年にアメリカが合衆国として独立した時の州の数が13であった事に由来しています。
アメリカ海軍がピーコートを採用した正確な時期は不明ですが、第一次大戦当時の服装規定には既に下士官用コートとしてオーバーコートが掲載されていました。
襟が大型なのは海上で作業する際、襟を立てて顔を覆い、強風対策を十分に確保できるように設計されています。またポケットはスリット式の物が垂直に付けられていますが、これは凍えた手を暖めるためのハンドウォーマーポケットです。
ずっしりとした質感と厚みのあるメルトンは正にミリタリーのＰコートと言えます。
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